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これからの業態開発のあり方=「利便性」と「専門性」と「チャンネル総合化」
公開:2017.03.09  ビュー:

いま、外食マーケットで伸びているのは「ファーストフード」と「テイクアウト」市場です。これらふたつの市場に共通するのは「利便性」というキーワードです。利便性とは「買いやすさ」で、買いやすさとは ①手軽な価格 ②アクセスしやすい立地 である。「利便性」で代表的な業態は小売業でいえば「コンビニ」である。業態の進化は「より低粗利化」して薄利多売で規模拡大するか「利便性向上」して粗利率をキープする方向で行くかが大きな分かれ目になる。低粗利化&規模拡大で成長した市場は回転寿司や焼肉が代表的である。100円均一寿司や焼肉食べ放題といった業態が市場拡大を牽引した。


一方で利便性向上で成長している市場は「セルフうどん」や「カツ丼専門店」、「郊外型コーヒー店」「立ち飲み酒場・バル」などが代表的である。低粗利化&規模拡大型の業態開発は資本の論理が働きやすいため、大手有利の戦略である。ただし低粗利化&規模拡大の行き着く先には過酷な消耗戦が待っている。さらにここに来て急激に進んだ円安基調によって食材原価高時代に突入した結果、大手有利の低粗利化路線においても「付加価値訴求」していかないと利益が取れないという状況になってきている。食材調達においては規模を持つことがデメリットになるケースも出てきている。


ただし外食市場においては「利便性」だけではお客様は支持してくれない。なぜならば外食市場の購買頻度は非常に高く、お客様の成熟化(ヘビーユーザー化)が進むスピードが非常に早い。つまり、お店に「専門店らしさ」が備わっていないと見向きもしてくれない。「専門店らしさ」は重要なキーワードになる。ただし、専門店らしさの演出にはオペレーション(店舗運営)の付加がかかりやすい。いま人材の確保が難しい時代においては極力店舗運営における付加は排除したいところである。さらに「専門店化」し品揃えを絞るとマーケットをセグメントすることになるため、上手にやらないと売上高が取れないケースが出てくる。そこで重要になってくるのが、「品揃えの総合化」もしくは「販売チャンネルの総合化」である。品揃えの総合化は「専門店らしさ」を損なわないように行う必要があるのに対し、販売チャンネルの総合化は「専門店らしさ」は損ないにくい。先日あるご支援先(行政人口11万人)で郊外型カツ丼専門店をオープンした。このお店は会社としてはカツ丼2号店目なのですが、ナショナルチェーンと差別化するために「専門店らしさ」の演出を行っている。加えて今回のお店では「お弁当・お惣菜 お持ち帰りコーナー」と店舗入口脇に大きく訴求した。すると1号店ではお持ち帰り売上比率が20%程度なのに対して、2号店目では売上比率40%程度で推移している。伸びている「利便性」という切り口を「テイクアウト」という販売チャンネルによっても付加した。将来的には「宅配」という販売チャンネル付加に発展する可能性もありえる。


いずれにしても「売れて」「収益が出る」業態開発なしに企業の成長はない。外食の事例を上げさせていただきましたが、上記のような「利便性」と「専門性」と「チャンネル総合化」との融合を皆様の本業における業態開発のヒントとしていただければと思います。

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